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昔のお酒造りを10段階に分けてご紹介。


現代では機械化が進んでいますが、大事な所は昔と変わらず手作業でやっています。


今も酒の造りは一年に一度。(機械化が進んでいる所は一年中ですが・・)

秋に米の刈入れが終わり、いよいよ仕込み。


米の出来具合は毎年違います。


米が柔らかい時もあれば、硬い時もある。


粒が大きい時もあれば小さいと時も・・・今年は寒いか?暖冬か?


それぞれの状況によって仕込みを変化させてゆくのは杜氏の腕。


機械化が進んでも、やはり杜氏の感や経験には、かなわないのです。



1.精米
昔は玄米を石臼(いしうす)に入れ杵(きね)でつきました。
動力には水車も利用されました。
今日では、酒米専用の精米機の導入によって、
昔よりはるかに白い米がもちいられています。




2.水汲み
酒造りには仕込み以外にも、
米洗いや桶洗いなどに多量の水が使われます。
くんだ水はいったん水槽(桶)に貯められ、ここから
それぞれ必要な場所に桶でかついで運ばれました。
今日ではすべてポンプが使われています。




3.米洗い
昔は米洗い桶で手洗いや、何人かが桶のなかに入って
足で踏んで洗いました。
冬の米洗いもつらい仕事の一つでしたが、今では洗米機がこれに代わり
その苦労もなくなりました。




4.米蒸し
大釜の蒸気で、その上にのせた”こしき”で蒸すことは今でも良く見られる
光景です。
こしきは大桶ですが、下に小さな穴があり、ここから蒸気があがるようになっています。
保温のたね筵(むしろ)で厳重に囲ってあります。
蒸した米はこしきから取り出され、桶でかついで運ばれます。
取り出すのは熱く、つらい仕事。
大規模な工場では蒸しも機械化されています。




5.放冷(ほうれい)
熱い蒸米(むしまい)は筵(むしろ)や布の上に広げて外気で一定の温度まで冷やされます。
そのため広い場所が必要でした。
戦後、放冷機が開発され、現在普通酒などは放冷機で冷やされます。




6.麹(こうじ)造り
麹造りは室(むろ)と呼ばれる周囲を保温された部屋で行われます。
室の中には床(とこ)と棚(たな)があり、床で蒸米に種麹を振りまき
一夜寝かせて麹蓋(こうじぶた)と呼ばれる小箱に分け、棚に積み重ね、また一夜をへて麹に仕上ます。
できあがったものは室の外に運び出します。
室の保温には稲わらや籾(もみ)がらが使用されていましたが、戦後は新しい保温材が使われ、室は広く明るいものとなりました。麹蓋も大きな箱にかえられたり、あるいは箱や棚もいらない製麹機をもちいて夜間作業の廃止や省力化が図られています。
大規模な工場では、ほとんど人手を必要としない自動製麹機も使われています。




7.もと摺り(もとずり)
酒母を”もと”とも言います。昔の”もと”造りでは、仕込みはまず半切(はんぎり)と呼ばれる浅い桶数枚に分けて行われました。
もと摺りといって半切一枚につき3人で櫂(かい)ですりつぶす操作などをへて、一本のもと桶(酒母タンク)に寄せられ、その後もしばらくは低温のもとに管理され、できあがるまで30日もかかるのが普通でした。
今日では10日内外で仕上る速醸法が広くおこなわれ、在来法はごくまれなものとなりました。




8.添仕込み(そえじこみ)
もろみの仕込みは、添、仲、留、の3回に分けて行われます。
添仕込みでは仕込みの量がまだ少ないので、添桶に仕込まれるのが普通でした。
仕込まれた添は翌日は踊りと言って仕込みを休みます。
近年は省力化のため、添仕込みも添桶をもちいず最初より大桶(もろみタンク)でおこなう所が多くなりました。




9.本仕込み
普通、仲仕込みは踊りを大桶に移して行われ、翌日つづいて留仕込みが行われて、もろみの仕込みが完結します。
仕込み直後から日に1〜2回櫂入れ(かいいれ)が行われます。
もろみの初期には、もろみがまだよく溶けていないので櫂入れしにくく、何人かで櫂入れし、よく混合します。




10.酒しぼり
酒に仕上がったもろみもろみは、酒袋一枚一枚につめ、これを槽(ふね)の中に積んで上から圧搾すると、酒は下の垂れ口(たれぐち)から流れ落ちます。
圧搾には昔はテコの原理が応用されましたが、今では水圧機にかわりました。
さらに近年は、酒袋や槽をもちいない連続もろみしぼり機が普及してきました。




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